小畑健×大場つぐみの新作『プラチナエンド』感想
『DEATH NOTE』では悪魔と出会った少年の話だったが、今回はそれとは対照的に天使と出会った少年の話。テーマも今回は「幸せ」だそうです。
──ジャンプスクエアに掲載された予告には「幸せになりたいあなたに贈る。」という煽り文が掲載されていました。これがストーリーのキーワードになってくるんでしょうか。
「DEATH NOTE」のテーマが「悪」とか「死」だったとしたら、今回は「幸せ」になると思います。主人公の少年が幸せになる過程を描いていく。
大場つぐみ×小畑健「プラチナエンド」特集 担当編集・吉田幸司氏インタビュー (3/4) - コミックナタリー Power Push
自殺しようとした主人公の元に天使がやってくる © SHUEISHA
そんな『プラチナエンド』も基本的には『DEATH NOTE』と同じような知略バトル物です。新鮮な展開を出し惜しみすることなく次々と見せる読み応えのある大場つぐみさんのストーリーは純粋に読者を楽しませてくれます。それに加えてキャラクターを際立たせる小畑健さんのイラストは読者をよりストーリーに引き込みます。良くも悪くもジャンプ系らしいテンプレ設定ですが、この2人にはそれを活かしきれる力があります。彼らの作品を読んできた人には十分進められる作品だと思います。今作の主人公は『DEATH NOTE』の夜神月と比べ、現状ではそこまで特徴もない地味なキャラクターとなっています(まあ夜神月ほど個性的なキャラも少ないでしょうが)。そんな彼が今後どう成長していくのかがポイントだと思います。個人的にはひと癖ありそうなヒロインにも注目しています。まだまだおもしろい展開が十分期待できる作品です。
『DEATH NOTE』、『バクマン。』と続いてきた今作もほぼ映像化確実という感じでしょうし、気になる方はぜひ読んでみてください。
- 作者: 大場つぐみ,小畑健
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/02/04
- メディア: Kindle版
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『三者三葉』から失われた日常
※この記事には日常アニメを愛するあまりの過激な発言が含まれています。著者も三者三様はもちろん好きですが、三者三様を純粋に楽しんでいる人には不快かもしれません。ご注意ください。
現在絶賛放送中のアニメ『三者三様』。その魅力は、タイトルの通り『三者三葉』の特徴的な個性のキャラクターです。元お嬢様で現在は貧乏毎日パンの耳生活な葉子様と腹黒委員長な照ちゃん、胃袋ブラックホールな双葉のマイペースな3人が集まる化学反応で大騒ぎな日々で話は進んでいきます。制作は動画工房さんで、キャラの動きがかわいいです。原作の漫画は第1巻だけ読みましたが、原作とアニメは結構雰囲気の違う感じで(13年も連載してるので当然ですが)、アニメーション作品として上手く昇華できていると思います。
ここからが本題。では失われた日常とは何なのか?ここで言う日常とは、アニメ『ゆゆ式』に代表される「ノーイベント グッドライフ」な日常。つまり、僕達視聴者目線でのイベントではない彼女たちのほんとうの意味での日常です。以下の『ゆゆ式』原作者インタビューでの一節でその意味を垣間見ることが出来ます。
アニメでいえば最初のスタッフさんとの意識調整の時に「この子たちの世界にはカメラはないです」という話をしました。客観的な第三者が覗いていて、それを意識するような言動はさせないでくださいと。この子たちには私たちのことは見えていませんからね。この子たちは芸人ではないので、僕らに対して笑いを取りに行っているわけじゃなくて、3人が話している中で、他の2人が笑ってくれるかどうかが大切なんです。
その意味で言って『三者三葉』第1話での3人の出会いからの一緒に昼食を食べる話は本当に良く出来ていました。このまま毎週3人のなんでもない昼食シーンが見れるなら相当素晴らしい作品になると確信していたほどです。
だからこそ2話以降のイベントづくしのストーリーは頂けなかった。やたらとライバル視してくるキャラクターの登場は僕としては「普通」の日常からは外れたものと認識されました。特に照ちゃんの姉のゲテモノ料理を作る葉山光の登場は明らかに視聴者向けとしての傾向が強いことがわかるでしょう。1話での山路、3話での園部さんの登場は葉子様のお嬢様設定に付随する設定として彼女たちの日常だとして受け入れていましたが、これに関してはさすがにどうすることも出来ないものでした。
確かに、沢山のイベントがありキャラクター達の動きも大きいエピソードがあれば視聴者としてはそれを楽しくも思えるでしょう。しかし、彼女たちの日常はどうでしょう?2人と出会って葉子様の学校での昼食はかけがえのない楽しみなものになっていたと思います。けれどもそんなささやかな日常はインパクトが薄いと切り取られ、作品としての『三者三葉』からは失われてしまったのです。こうして『三者三葉』はいわゆる普通の「日常アニメ」に成り下がり、彼女たちはその世界で生きるキャラクターから僕達視聴者向けのストーリーで動く人形となってしまいました。この悲しみをわかってくれる人がいることを僕は願っています。
最強のアニメ録画&視聴環境を考える
2021/06/05 最近はもうネット配信最強です。アマプラ+dアニメストア+Netflixでほぼすべてカバーできます。TOKYO MXより配信のほうが画質いいし……
2018/01/28 最近の状況も踏まえて全体的に書き直しました
アニメの視聴、保存について考える上で調べたことをまとめています。アニメの録画には、特殊な要求(データを何年も保存したい・番組編成が変則的)があることが多いので、そういったことを前提に考えていきます。
テレビ付属機能
基本的に最低限の機能なので、快適ではなくとも、とりあえず録画して見れればいいという人向けです。
メリット
- 安い
テレビの買い替えを検討している場合は、録画機能付きのテレビと外付けHDDを買うだけで済みます。
デメリット
- 機能が少ない
そのメーカーの出しているブルーレイディスクレコーダーと比べると当然機能が少なくなっています。レスポンスが遅かったり、UIが別物になっていることも多いです。最近では、エントリーモデルで録画機能を充実させたものも登場してきているので、調べてみると良いでしょう。
- 番組名録画に対応していない
番組名録画に対応していないと、大きく時間がずれることが多いキー局のアニメは、追従しきれずに録画失敗することがあります。 - 1番組録画だけ
基本的に2番組同時録画はできません。裏番組録画(録画中でも他の局の番組がリアルタイムで見れる)には対応しているものが多いので、それで十分な人には問題ではないでしょう。 - ブルーレイ/DVDが見られない
この時代のオタクにはブルーレイ再生環境は必須でしょう。PCで再生できるならなんとかなるでしょうが、ブルーレイディスクプレイヤーを買うくらいだったら中古のブルーレイディスクレコーダーを買うほうが良いと思います。 - データの大量保存ができない
ブルーレイなどにデータを焼くことができないので、容量がいっぱいになったら消すしかありません。HDDの登録台数も制限があるので、HDDを大量に用意して録画していくこともできません。
ブルーレイディスクレコーダー
大多数の人はブルーレイレコーダーを買っておけば満足できると思います。そもそもそういう製品です。値段に見合う機能はあると思います。買う場合はテレビとメーカーを揃えると便利です。
メリット
- 手軽
特別な知識もいらず、繋げば終わりです。 - 充実の機能
追っかけ再生、番組名録画や自動チャプター機能があるのは便利です。 - 自動圧縮機能
PCでやろうとすると結構面倒な圧縮をリアルタイムで自動で行ってくれます。
デメリット
- コピーガードがある
録画データをブルーレイやHDDに移したとしても、PCを使ってコピーしたり、編集したりはできません。 - メーカーによる制約が大きい
外付けHDDに録画をしたとしても、他機種では再生できないこともあります。なのでバックアップするなら基本的にブルーレイディスクに移すことになります。 - 大量録画には向かない
外付けHDDの登録台数に制限がある事が多いので、基本的にはブルーレイディスクに焼いて保存することになります。ブルーレイディスクに焼こうとしても、録画中はできなかったりと、不便なことも多いです。そういったコストや手間との相談が必要です。
PC
録画データを編集(OP抜き出しなど)したい人はPC録画するしかありません。再生環境としては、DLNAでの再生機能を持つテレビを用意して録画PCからネットワーク経由で再生するのがおすすめです。DLNA対応のテレビがなくても、Chormecastを使えば、スマホからの操作になりますが、実現できます。
自由度の高い録画を行うためにはTS抜きチューナーを使用する必要があります。PT3が生産終了し、価格が高騰しているので、現状PLEX社のPX-W3PE4などしか選択肢がない状態です。
メリット
- 自由度が高い
やろうと思えばなんでもできます。 - 保存形式も自由
mp4に圧縮してHDDに保存しまくったりもできます。 - 高機能を実現できる
全番組録画もやろうと思えばできます。
デメリット
- PCの自作が必要
自分でチューナーを差してセットアップしないといけません。 - PCについての知識が必要
wikiやネットの海の情報を見ながら問題を解決する程度の能力は必須になります。 - めんどくさい
知識があってもいろいろ設定してメンテナンスするのは面倒です。 - トラブルが多い
TOKYOMXなど、マルチチャンネル放送をしていたりすると録画失敗することも多いです。エンコードする場合も、音声の処理などが複雑なことが多いです。 - 操作が不便
ブルーレイレコーダーのように専用のリモコンがあるわけではないので、再生時には少し手間がかかります。
僕の構成
いろいろ言ってきた僕ですが、現在は40インチテレビ+1チューナーブルーレイレコーダー+録画PC+NASという感じになってます。少し前に録画PCがお亡くなりになってからは、ブルーレイレコーダーしか使ってません。というのも、最近はネット配信が充実してきて、わざわざ自分で手間を掛けてまで録画データを保存しなくてもいいかなと思うようになったからです。dアニメストアなら月額400円で結構な量のライナップのアニメを見れるので、それで十分だと思ってます。ネット配信万歳。